【井土ヶ谷リビングラボ〜フューチャーセッション】
「SDGs × 教育~誰一人として取り残さないキャリア教育を考える」
今回の井土ヶ谷リビングラボのフューチャーセッションは、SDGsを意識した教育実践に取り組む横浜市内の小中学校や高校の教職員を招き、学校現場からの提言を契機として、「誰一人として取り残さないキャリア教育」を社会全体でどのように取り組んでいくのかを、子ども・若者のキャリア支援に熱心な企業人やNPOスタッフなど参加者全員の未来志向の対話によって考えました。
<内容>
(1)誰一人として取り残さないキャリア教育に向けて、学校現場からの提言
■池田孝さん(横浜市立和泉小学校 主幹教諭)
テーマ:「井土ヶ谷リビングラボ 〜教育と企業〜」
池田さんは教員になって17年、総合的学習の時間を使って子どもたちと一緒に池を作ったりと、地域の方、親御さんの力を借りて様々な活動を実施してきました。
たくさんの蛍を育てたい。蛍(平家蛍)を自生させたい。
その時は、地域ぐるみで総合的な学習をサポートしていただいたそうです。
子ども達への学習は、「今何をするか」が大事。
池作り(総合的学習)を通じて地域と一つになっていったと池田さん。
総合的な学習=クラスの暮らしを作れる、文化を作れる
→与えられている時間、自由に子ども達と作っていいという事。
「やってみよう 出会ってみよう 叶えてみよう」
そして2年前、熊本地震が起きた時、池田さんは何もできない事にひどく落ち込んでしまいます。
そんな時、一人の生徒から
「ねぇ先生、花は咲くを歌って、熊本に送ろうよ」と言葉をかけられ、
小さなことでも、まずはやってみよう!と
歌をCDに焼いて、熊本市の小学校(95校)手紙と一緒に送ったそうです。
そして熊本の子どもたちが、動画や手紙で歌え返してくれたことが嬉しくて、
池田先生は実際に熊本に足を運びます。
(そこで会った子どもたちと、全国少年野球大会で再会したとはびっくり。子ども達も恥ずかしがってはいたが、リアルで繋がれた事が嬉しかったそうです)
大切なことは、子どもも、僕らも「一緒に考え、行動する」ということ。
・やってみよう
・出会ってみよう
・かなえてみよう
SDGsは人づくり・教育は人づくり・みんなで人づくり
総合的学習の時間は、先生の発想力・行動力でどうにでもなる。
子どもたち一人一人が自分らしさを発揮できるような現場になるように。
子どもたちが楽しみながら自分らしさを発揮できるように。
→子どもたちを一緒に育てていこう!という気持ちが大切だと池田さん。
SDGsは共通言語、そして人づくりのツールになる。
難しいことは考えずに、地域の皆様と一緒に歩んでいきたいと、笑顔で話されていました。
■岸本さん(富士通エフサス)
富士通エフサスの岸本さんによるワークショップでは、教育現場で何ができるか、参加者全員がアイデア・意見を「見える化」するワークショップを実施しました。
大事なポイントは基点(キーマン、場所)があることで、様々な人が繋がれる。
これが分かるように、全員で参加するワークショップを開催。
一人一人にシールが渡され、「誰一人として取り残さない社会の未来を担う子ども・若者のキャリア教育」をテーマに、自分ができることをホワイトボードに貼っていきます。
教員の山本さん、SDGsは共通言語として繋がるツールになると発表。
士業の方も参加、自分にできる専門分野を子ども達の教育に生かすために、どの立ち位置に入るかを考え発表。
SDGs は共通言語として語ることができる。
自分がやりたいと思っていることは、どの部分に入るのか。
自分にできることは何か。
じっくり考えて、応援してほしい!と最後に参加者全員に伝えます。
参加者全員が一つになったフューチャーセッションでした。
「忙しくても学校行事に企業やNPO、地域の方が来てくれることで、
子どもにとって財産になる。SDGsを通してつながりやすくなることを願う」と参加されていた方の発言が印象的でした。
(撮影・執筆:薄井)
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<実施概要>
日時:2018年10月20日(土) 18時〜20時
場所:井土ヶ谷アーバンデザインセンター(横浜市南区井土ヶ谷下町6-1)
主催:井土ヶ谷アーバンデザインセンター
協力:LOCAL GOOD YOKOHAMA
横浜市市民活動支援センター
認定NPO法人市民セクターよこはま
今回の井土ヶ谷リビングラボのフューチャーセッションは、未来メディアキャンプ2018(朝日新聞社、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科共催、運営協力・Think the Earth)の「SDGs×教育プロジェクト」の活動の一環としても開催しました。
※2030年に向けて全世界の国々が力を併せて進めているSDGs(持続可能な開発目標)においても17の目標の一つに「質の高い教育をみんなに」(目標4)を掲げ、「すべての人々が男女の区別なく、安価で質の高い技術教育、職業教育、および大学を含む高等教育への平等なアクセスを得られるようにする」、「技術的・職業的スキルなど、雇用、ディーセント・ワークおよび起業に必要な技能を備えた若者と成人の割合を大幅に増加させる」などキャリア教育について達成すべき具体的な指標を示しています。
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